。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅲ・*・。。*・。




「俺からしたんやない。奪われたんや。てかあれは事故や」


キョウスケが唇を押さえて目を伏せる。


「どっちでもええわ。んで?相手は何て?」







「付き合わないかって。そうしたら“計画”を止めるって」







キョウスケが無表情に言って、でも言ったあとに脱力したようにごろりと床に転がる。


「つ、付き合わないかって、イチが!あの女キョウスケのことが好きだったの?キョウスケは気付いてた?」


「…知りませんよ。てか好きなのかどうかも謎。罠かもしれへんし…」


ぁあ゛…そう唸ってキョウスケは手近にあるうさぎのぬいぐるみを引き寄せてぎゅっと抱っこした。


「お嬢のええ香りがする……俺やっぱこの香り好きや」


なんて目を閉じて、しみじみ。


「それ…タイガから貰ったもの…」


あたしがおずおずと申告すると、


バシッ!


キョウスケは突如うさぎを戒に投げつけた。


「いてっ!てか、またかよ!最近お前俺に対して酷すぎ!」


と抗議する戒を無視してキョウスケは顔を覆ってさめざめと泣きまねをする。


「もういやや…」


あ、あたしの方が『いやや』だよーーー。






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