。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅲ・*・。。*・。
―――……
「――――!!」
あたしは目を開いて飛び起きた。
身を起こして額に手をやるとべったりと汗で濡れていた。
ザー…
窓の外で雨音の音だけが響いて、部屋全体をしんと静寂が包んでいた。
その静まり返った部屋の中で
ドキン、ドキンとあたしの中で、心臓の音だけがやけに大きく鳴り響いている。
震えながら汗で濡れた手のひらを見つめ、視界の端でケータイが淡い光を放って点滅しているのを捉えた。
のそのそとケータイに手を伸ばして開くと、
“メール受信:リコ”となっていて、あたしは目を開いた。
ケータイのデジタル時計は夜中の2時を示している。メール受信日付は今から1時間ほど前だった。
“夜遅くにごめんね!(>ω<、)
響輔さんから電話があったの!
『何かあったら、なくても連絡して?いつでも行くから』って!!
キャ~!!どうしたんだろう、急に!!嬉しすぎるよ!☆
でもやけに真剣だったし、いつもの響輔さんらしくないって言うか…
何かあったのかな??って気になって。ってごめんね、こんな夜遅くに(≧ヘ≦ )
何かあったらまた聞かせてね?おやすみ~★”
リコのメールは嬉しさ半分、疑問が半分ってところで何かあったのか知りたそうだ。
キョウスケ……もしかしてイチがリコに何かするかもって思ったのかな…
あたしはそこまで深く考えなかったけど、よく考えたらそうだよね…
あたしもリコにそれとなく注意しておこう。
リコをあの女の手から守らなきゃ!