。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅲ・*・。。*・。
ペットボトルのお茶は半分ほど残っていた。
「ってか何でこんなとこに置いてあるの?」
「…夜中に喉渇いたとき、下に行くの面倒なんで」
出たよ。キョウスケの面倒くさがり。
キョウスケはマイペースにペットボトルのお茶を飲んで、どうやら喉が渇いていたのは本当のようだ。
一気に残っていた分の半分を飲んだ。
「お嬢も飲みます?」
そう勧められてあたしは素直にペットボトルを受け取った。
ペットボトルに口をつけようとしていると、
じー…
キョウスケの視線が……
「何だよ…」
顔をしかめてキョウスケを睨むと、
「間接チューだなって思って」
か、間接…!!
「………」
あたしは無言のままキョウスケにペットボトルを返した。
やっぱ大丈夫じゃないじゃん!!
キョウスケ、壊れたまま戻ってないよ!
あたしは思い切り不審そうにキョウスケを見上げて、それでも本人壊れてるって自覚がないのか、あさっての方を見ている。
おい…お前、大丈夫かよ。
変な世界に行っちゃってるんじゃないの?
そう言う心配であたしはキョウスケの前で手をふらふらと振った。