。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅲ・*・。。*・。



キョウスケは「黙らせることができる」ってさっき言ったけれど、強引な何かは微塵も感じられなかった。


壊れ物を扱うような丁寧で、優しい腕の中、


それでもあたしはキョウスケを押し戻した。


ぐいっ


「き、気持ちはありがたいけどよ!あたしは戒が…」


そう言いかけたときだった。


「お~い、キョウスケぇ。お前の部屋から女の声が聞こえた気がしたんだけど…」


タクの声が襖の向こう側から聞こえてくる。


「「ヤバっ」」


あたしたちは顔を合わせて、急にあたふた。


「お嬢!隠れてっ!」


「か、隠れるってどこに!」


そんなやり取りを小声でしながらも、あたしはキョウスケの布団の中に引っ張られた。


慌ててテレビを点けてキョウスケも布団にもぐりこむ。


スラッ


襖が開いて、


「おいキョウスケ…お前まさか女を連れ込んでるんじゃねぇだろうな」


タクが不審そうに顔を出した……(と思う。布団被せられてるから分かんない)


「女って…お嬢のことですか?」


キョウスケが布団から顔を出して聞いている。


きょ、キョスケ~~~!!何言い出すんだよ!


だけど


「バァカ!ありゃ女のうちに入らんだろ」


ガハハと笑うタクの声を聞いて……


とりあえず疑われてはないみたい…と安心するも、


……何か、このやりとり前にもあった??
(Cherry Blossom Ⅱ参照♪あのときは戒でしたね♪)


って言うかタク!お前明日飯抜きだっ!!




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