。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅲ・*・。。*・。
「…ぐ、偶然かもしれねぇけど……あたし神社で朱雀の像を見たんだよね…」
「神社?」
キョウスケが目だけを上げる。
「…うん。青龍会本部の近くの、“龍神社”ってとこ。紅い鳥居がずらって連なっててさぁ…そこにあった…」
キョウスケが目を細めて少し考える。
「龍神社??俺も行きましたが、朱雀の像なんてなかったですよ?」
「え?おめぇも行ったの??ってか無かったって…あれは夢じゃなく起きてるときに見たよ。
鳥居が途切れるとさ、小さなお社があってその中に龍の像と向き合う形であったもん。
叔父貴も近くに居たから叔父貴に聞けばあるって言うよ、たぶん」
「お社?俺も行きましたけど、鳥居が途切れると行き止まりはお手水場で、参拝するご本堂はあってもそうゆうのは無かったですよ」
あたしとキョスウケは思わず顔を見合わせた。
「え!ぇえ!!じゃ、あたしが見たのは何!?」
キョウスケはあたしと違って記憶力が抜群にいいからな。忘れるってことはないだろう。
小さくても見落とすもんでもないし。
「ま、まさかおばけ!?ってかお社のおばけって何だよ!」
あたしが慌てるも、
「落ち着いてください。龍崎会長もいらっしゃったんなら、彼も見たはずです。確認するのがいいでしょう」
「…確認…できなかったらどーするんだよ!叔父貴も見てなかったら、あたしはやっぱり……」
ぎゃぁああああ!!
神社でとうとうおばけを目撃したことになる!!