。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅲ・*・。。*・。



「ん゛ー!ん゛~~!!」


と口を塞がれても何ごとか喚きながらもキョウスケを凝視しているタクの耳元で、


「すんません、タクさん」とキョウスケが一応断りを入れて、


タクの頭に回した腕を


ぐいっと、捻った。


ゴキッ


変な音がして、タクは声も上げずに


ドサッ


床に崩れる。


「きょ、キョウスケ!ま、まさかタクを…こ…!!」


た、タクーーー!!!


「死んでません。安心してください」


それでも心配で慌ててタクの顔に耳を近づけると、僅かだが呼吸音が聞こえた。


ほっと胸を撫で下ろす。


その隣でキョウスケがヤンキー座りをしながら両手を合わせて目を閉じていた。


「すんません、タクさん。安らかに」


「って死んでねぇよ!ってかお前がやったんだろうが!」


とあたしが喚くも、キョウスケは


「タクさん…あなたは今日ここで見たことを全て忘れる。忘れる~…」


とあたしの喚き言をスルーして、ブツブツ呟いているし。


「キョウスケ…おめぇ催眠術なんて使えんの?」


「まさか。そう念じればどうにかなるかなと思って」


何だよ!催眠術じゃないのかよ!


相変わらず……マイペースなヤツだな!!



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