。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅲ・*・。。*・。
でも、怖くて寝れない。なんてかっこ悪くて言い出せない。
「怖かったら戒さんのお部屋で寝ればいいんじゃないですか?」
「……へ?」
思わず顔を上げると、
「なんかあの人守護霊強そうだし、悪霊も逃げていきますよ」
守護霊強そう…ってのは当たってるかも~…だけど。
「ってかあいつたぶん爆睡中だぜ?ぜってぇ起きないだろうし、意味ないじゃん」
「だからいいのに」
と、キョウスケは口の中でブツブツ。
「え??」
またも聞き返すと、
「いえ、何でもありません。戒さんを魔よけの置物だと思えばいいんですよ」
魔よけの置物……ねぇ。
いや…あいつの部屋に行って、あいつの色っぽくて可愛い寝顔とか見ちゃうと余計寝れない気がするし…
それに―――…今、戒の部屋に行くのは気が引ける。
今の今まで、ハプニングとは言えキョウスケと一つ布団の中だったわけだし…
「…今日は一人で寝る。ってか寝れるぞ!あたしを何だと思ってやがんだ!」
ビシッ!とキョウスケを指差すと、
キョウスケは楽しそうに笑って
「お嬢はいつもお嬢ですね」
とわけの分からないことを言いながらタクを引きずっていく。
ズルズルとタクを引きずりながら、キョウスケは途中立ち止まった。
まじまじとあたしを観察するように目を細めて、
「あんま似てないな」
と一言。