。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅲ・*・。。*・。
は……?似てない??
誰と比べてんだ??
益々ワケがわからなくて、あたしはその場で立ち尽くした。
キョウスケはあたしの疑問視に気付かないのか、それともタクを引きずることでいっぱいなのか、マイペースにタクを引っ張っていく。
キョウスケがタクの部屋に入っていくのと同時に、
スッ
手前の部屋でイチ…もといこっちは男の壱衣(イチイ:組員の一人)がのそっと顔を出す。
「お嬢?こんな時間にどうされたんですかい?」
眠そうに瞼を擦りながらも怪訝そうにあたしを見てきて、
「い!いや!!部屋を間違えたっ!!」
そう言い訳をしてあたしは慌てて階段を降りた。
部屋に帰ってからも、あたしはマクラ(あざらしのぬいぐるみ)を抱きしめながら、ベッドの上で震えていた。
どうしよう…
やっぱ一人は怖い!
だ、誰かの部屋に避難しようか…
戒―――…はやっぱダメ!危険とかじゃなく、ちょっと前まではキョウスケと居たわけだし…
後ろ暗いことをしてないって分かってても、やっぱ申し訳ない。
キョウスケの部屋は……もっと行けない。
幾らなんでも無神経すぎる。
あれこれ考えた結果、
あたしはマクラを抱きしめながら、
「マサ~……?」
結局、マサの部屋の襖を開けていた。