。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅲ・*・。。*・。

*鴇田Side*






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―* 鴇田Side *―



※スピンオフでないのであしからず((・´∀`・))

大丈夫、生きてますよ。一応ね…フフッ





――――――キリ…もとい朝霧が“出張”に来た次の日の朝、俺はげっそりとした面持ちで龍崎グループ本社のエントランスホールをくぐった。


昨夜の雨の名残か、エントランスのガラスは空の薄雲を映し出して淀んで見えた。


俺の機嫌の色のようだ。


「鴇田」


背後から会長に肩を叩かれて、俺が慌てたように顔を上げる。


だが会長は気にした様子はなく、


「何だ、また貧血か?今日も暑いしな。レバー食え、レバーを」


と気軽な感じで聞いてくる。こっちは俺と反対で今日調子が良さそうだ。


「…いえ貧血じゃありません。大丈夫です。衛から増血剤ももらってるので」俺が曖昧に返すと、


「貧血じゃなかったら何だよ。“敗北感~”を漂わせて」


会長がちょっと怪訝そうに聞いてきて、俺は額を押さえた。


敗北感…


まさしくその通りだ。




―――昨夜は…キリと過ごした。


俺の部屋のリビングのソファに座って、ビールを飲みながらピザなんて食った。


それまでは良かったんだ。


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