。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅲ・*・。。*・。
それはあたしと戒の結婚をも意味する。
「あなたたちの結婚式に便乗しちゃおうかしら。
ダブルウエディングって斬新だと思わない?
喜ばしいことが二倍よ♪」
彩芽さんは楽しそうに笑った。
「あは!いいかも~♪でもスピーチに蛇田とかはイヤだな」
む゛~と顔をしかめていると、
「蛇田?」
と彩芽さんが目をまばたいた。
「あ、えーっと…ドクターの弟の…」
「ああ、翔さんのこと」
彩芽さんは納得がいったように笑った。
「あいつとも会ったことあるんですか?」
「ええ、二三回ほどね。良い方よね」
良い方ぁ!?
彩芽さん目ん玉腐ってんじゃないの!?
それとも弟だから気を遣ってんのかなぁ。
「良い方よ。私と一緒……いえ、それ以上にきっと苦しくて辛い恋をしてきたのね。
あの方の見せる目は―――いつも哀しそうだもの」
彩芽さんは僅かに目を伏せて、悲しそうに微笑んだ。
それはさっき見た神社で見た
伝説の不死鳥―――朱雀の視線に
少し
似ていた。