。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅲ・*・。。*・。
「……ん」
キリの甘い吐息が聞こえて、それを心地よく感じながらも彼女のサラサラした髪に手を入れる。
口付けの合間に髪を撫で梳いていると、
キリが俺の胸を押して、俺はあっけなくソファに倒された。
すぐにキリが覆いかぶさってきて、長い前髪を掻き揚げながら再び口付けが降りてくる。
積極的な女は好きだが、この場と言うのは…
「…キリ……寝室に行こう…」
情熱的な口付けの合間に囁くように言うと、キリは顔を上げて、
ぐい
俺のネクタイを力強く引っ張った。
首元が絞まって、俺は慌てて身を起こした。
「何するんだ」
キリを睨んで凄むが、キリには全く通用しないらしい。
「黙って。行くんでしょ?寝室」
挑発するように顔を寄せられて俺は無言で頷いて立ち上がった。
いつもそうだ。
俺はいつも“その場”になると彼女に主導権を握られる。
積極的と言うか、エロいと言うか…
でもいつも主導権を握られていては俺のメンツが保てん。
「抱っこしていってやろうか?」
意地悪そうに言ってやると、
「Wow、花嫁さんみたいね♪私たち付き合ってもないのに?」
キリはさらに意地悪そうに笑って腕を組んだ。