。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅲ・*・。。*・。
―――数分後。
キッチンから異様とも呼べる焦げくさい臭いが漂ってきて、俺はキッチンを覗き込んだ。
「キリ、焦げてるんじゃないか?…」
そう言って覗き込むと、
「あは♪ごめんなさ~い」
とフライパンを片手にキリは申し訳なさそうに笑っていた。
フライパンの中にあるのは最早食材が何であったのかも判別不可能なぐらい黒こげになった物体で……
俺は額を押さえた。
「貸せ!お前に料理を任せた俺がバカだった」
フライパンを奪って、俺は結局自分で調理することを決意。
――――
「手馴れたもんね」
キリが感心したように、フライパンの上で跳ねる魚介類を眺める。
キリが解凍した食材の残りで海鮮あんかけ焼きそばぐらいなら作れるだろう、と考えたわけだ。
「独りが長いからな」
そっけなく言って火を弱めると、俺はフライパンを操りながら
「なぁ。
俺と結婚しないか?」
俺は何故かキリにそう問いかけていた。