。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅲ・*・。。*・。
四つ下―――…??
十ぐらい離れてるかと思いきや…
「何よ、文句ある!」
ぎゅっとキリに腹をつねられて、俺は顔をしかめた。
「ない」
それだけ言うのが精一杯だ。
俺―――結婚をはやまったか??
―――
―
その晩はキリを胸に抱いて、疲れていたのか、はたまたキリの体温が心地よかったのか俺はあっけなく眠りについた。
翌朝、
TRRRR…
ケータイの呼び出し音で起こされるまで、夢も見ないほど熟睡していたわけだ。
俺の上に折り重なるようにして眠っていたキリが、
「……なによー…こんな朝早くに…」
と言って前髪を掻き揚げながら、ベッドサイドに置いてあるケータイにのろのろと手を伸ばす。
俺のケータイの音じゃないことは分かったから、俺は目を閉じたままキリの肩を抱いていた。
だが覚醒した意識の中でキリの声や温度、香りだけはリアルに感じる。
「―――…あー…はい、ゲンさん?何か分かった~…?」
のんびりと受け答えしているキリも若干寝ぼけているのか、俺の胸に頭を乗せたままうつろな返事を返している。
“ゲンさん”名前から察するに、相手は老齢なんだろう。
そんなことをぼんやりと考えながら、
「―――…え?…ううん、まだ……―――え!」
のんびりと受け答えしていたキリが突如身を起こして、声のトーンを低めた。
その様子に俺も目をこじ開ける。
「それ、本当?分かったわ。ありがとね」
通話を終えたキリはいつになく真剣な表情で俺を見下ろして―――
「スネークの手がかりが分かったわ」
一言呟いた。