。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅲ・*・。。*・。
ディテクティブごっこ!?
◆ ディテクティブごっこ!? ◆
あの雨の日の次の朝、いつも通り台所で朝食を作っていると、
「おはよ~ごぜぇます…」
ぼんやりとしたタクの声を聞いて、あたしはビクっ!!
タクは頭の後ろや首をしきりに押さえながらしかめっ面を浮かべている。
「お、おはよ!どうした!!頭でも痛てぇのか!」
あたしが聞くと、
「うーん…いえ、俺寝てるときにどっかぶつけたのかなぁ」
と、首を捻っている。
キョウスケの言った通りだ。朝起きたら忘れてるって。
忘れて……
「…そう言えば変な夢みたんですよ」
「へ、変!?どんな夢!」
あたしの声がひっくり返ったが、タクは気にしてない様子で、
「それが……夜中お嬢が……キョウスケの部屋に居て…って、んなわけないよな~」
タクは苦笑いを浮かべながらも
「すいやせん!今のは気にしないでくだせぇ!」と慌てて謝った。
「あ…ああ。ってかタク、今日はおめぇの好物の小倉トースト二枚だ!ついでに赤だしもサービスしちゃう!♪」
あたしはトレーに乗せたトーストと赤だし味噌汁入りのお椀をタクに突き出した。
「どうしたんスか?今日はやけにサービスがいいっすね♪」
「あ、あはは~…たまには…ね」
く、苦しい言い訳~~~!!
それでもタクは小倉トーストと赤だしの味噌汁に機嫌を良くしたのか、トレーを持っていそいそと居間に向かった。
ふぅ。危ねぇ、危ねぇ…
と額の冷や汗を拭っていると、
「うまくいったみたいですね?」
昨夜のTシャツとハーフパンツ姿でキョウスケが登場した。