。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅲ・*・。。*・。
休日でもねぇのに街は賑わっていた。
学生が夏休みだからか??若い人たちが多い気がする。
トン!
リコが男の人にぶつかり、
「すみません!」
慌てて頭を下げている。
あたしなんかは人を避けるのは慣れてるけど、リコは歩きづらそう。
そう思っていると、リコの手があたしの手に伸びてきた。
「人多いから手繋ご」
ぎゅっと繋がれた手は、戒やキョウスケと全然造りが違って、ふわりと柔らかかった。
「へ!?」
みっともなく声が引っくり返って、
「はぐれちゃったらやだし」
とリコが可愛く顎を引いて上目遣い。
ぅおぉおお!なんっでそんなに可愛いんだよ!
あたしは可愛いリコに一発KO。
危ない道に走りそうだったけれど、考えてみりゃ女の子同士で手を繋ぐのって別に不自然じゃない。
良く見るとあたしたちのほかにも同じように手を繋いでいる女の子たちが居るし。
男同士よりかは幾らかまし。ってか見た目がいいよな!何か可愛い♪♪
男同士よりかは……
そう他ごとを考えてたからかな。
ドン!
今度はあたしの方が誰かと派手にぶつかった。
「すみません!」
慌てて謝ると、
「こっちこそ、ごめんね」
と若い男の人がびっくりしたように目をまばたいていた。