。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅲ・*・。。*・。
「わ♪イケメン☆朔羅、ラッキ~♪」
リコが小声であたしに耳打ちしてきて、あたしは思わず苦笑い。
確かにかっこいい。
美・青年ての??
しかも、いかにも害のなさそ~な爽やかイケメンだ。
「ごめんね?大丈夫だった?」
心配の仕方まで紳士的で親切。
「あ、はい。大丈夫です」
慌ててそう答えると、
「ヒロ!まぁたお前は一人で勝手に…」
と誰かの声がこっちに向けられた。
聞いたことのある重低音―――
覚えのある香り。
ふっと顔を上げて、男を目に入れるとあたしは目をみはって固まった。
タチバナ―――……!?
「あれ??こないだのイケメンお兄さんだぁ」
と、リコも気付いた様子。
今日はこないだのスーツじゃなく、私服だったけれどこの顔に間違いはない。
「あれ?君たちは…」
タチバナが駆け寄ってきてあたしたちの存在に気付いた。
「何だよ、お前の知ってる子?」
と爽やかお兄さんがタチバナをちょっと怪訝そうに睨む。
「まさかお前、この子たちに手を出したんじゃないだろうな!」
爽やかお兄さん…紳士的だと思ったけど、意外と口が悪い。
しかも手って……