。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅲ・*・。。*・。
それでもキョロキョロと視線をめぐらしていると、奥の方の棚で“それ”が陳列されているのを見つけ、あたしはそこへ駆け寄った。
うーん…
ボクサーパンツ、トランクス。あ、ブリーフってのもある。
「こんなにも種類があるんだな」
「………」
メンズものの下着を前に、リコは顔を赤らめて俯いている。
リコ…やっぱあんた最高に可愛いな…
あたしは最近あいつら(戒とキョウスケ、それから叔父貴)の影響でだんだんといらん免疫ついてきたってのに。
「贈り物ですか?年齢はどれぐらいの方ですか?」
店員さんはさすがに馴れた様子で、
「やはり若い年代の方に人気はこのタイプかと」と一枚のボクサーパンツを広げてくれる。
青やグリーンのボーダーラインが入っていてベルトラインは黒だったけれど派手!なパンツだった。おっしゃれ~♪☆だけどな。
「…う~ん、イメージからすると黒だけど…」
「でも似合いそうじゃない?若いんだし」
とリコがアドバイスをくれる。
「黒をお探しでしたらこちらのシリーズなんてどうでしょう」
店員さんは隙のない仕草でさっと次を用意してくれる。
確かに色全体は黒い。だけどベルトの位置には赤や青、黄色のボーダーの上にPaul Smith とサインがあった。
「あ、これならさりげなくお洒落かもな」
勝負用にもいいかもな…とは口には出さず、
一枚を手に取ると、
「グレーもありますし、このタイプならブルーも」
と次から次へと目の前に広げられるパンツたち。