。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅲ・*・。。*・。


「ふむ。誰かにプレゼントですか?」


ドクターが興味深そうに顎に手を当て、あたしの手元を覗き込んできた。


「……叔父貴に。誕生日が近いから…」


何となく俯いてドクターから視線を逸らす。


だってこないだ叔父貴との変な場面目撃されたから。


だけどドクターは全然気にしてない様子で、


「会長に?なるほど。彼の好みは統計に寄ると、黒が70%グレーやネイビーが20%残りの10%が……フフッ」


ドクターは意味深そうに笑うと、言葉を呑み込んだ。


「何の統計だよ!てか残りの10%って何だよ!てか何でお前が叔父貴のパンツの好みを知ってる!!」


店員さんが居ることを忘れてあたしは思わずドクターの胸ぐらを掴んだ。


店員さんがぎょっと目を剥いて身を引き、


「さ、朔羅ーー!」


とリコが慌てて止めに入り、


「相変わらず炸裂だね♪」とタイガは楽しそう。


あたしがそれ以上問い詰めなくてもドクターは隠すつもりがないのか、


「残りの10%は実に興味深いものをお召しになられてます。例えばミッキーとか♪例えばゼブラ柄だとか。


ああ、安心したまえ。その10%は女性からの貢物です。彼のセンスじゃない」


叔父貴がミッキーマウス!!?


激しく不釣合いだぜ。


だけど


「お前は何でそこまで詳しいんだ?」益々謎。


てかあたしより詳しいって、ちょっとムカっ。


「うさぎちゃん、野暮なこと聞いたらダメだよ。大人の事情ってヤツさ」


とタイガが同情したような目であたしを見下ろしてくる。


大人の事情……野暮…ねぇ…




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