。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅲ・*・。。*・。
愛が無くても結婚できる―――かぁ。
てかタイガも独身だろ??知ったような口利きやがって。
まぁしかし…あの鴇田だし?他に何か利益があったから結婚したって考えるのが普通だよな。
だけど―――
『愛の無い結婚は辛いだけだ』
以前の言葉を思い出して、そしてそのときの表情を思い出した。
彩芽さんも言ってた。鴇田は辛い恋を経験してきたって。
だから
あいつもあいつなりに、その秘書のことをきっと
愛してたに違いない。
何故かそう思った。
TRRRR
ふいにケータイの呼び出し音が鳴り、
「失礼。ああ、噂をすれば何とやら、です。弟からだ」
ドクターはフフッと笑って、その場でケータイに出た。
『衛!!今すぐニンニク注射をしてくれ!!俺の体力が…』
と大きな怒鳴り声が聞こえて、ドクターがちょっと迷惑そうに顔をしかめ、ケータイから耳を離す。
ニンニク??
『翔。まだまだよ♪最中だってのに誰に電話掛けてるのよ』
と言う女の声も……
あたしも何回か会った事があるから覚えてる。間違いなく秘書の声だった。
『俺の兄貴だ!ってか上に乗るなーー!!』
いつもムカつくぐらい冷静な鴇田が珍しくぶっ壊れてる。
『お医者様のお兄様?あら、今度ナース服を借りようかしら。病室でってのもいいわね♪』
最中……上に……?
「「…………」」
「ぅわ。想像したくないな~」とタイガが顔をしかめて、
あたしとリコは顔を見合わせ、顔を真っ赤にさせた。
あのエロそうなメガネは伊達じゃなかったな。
何か……色んな意味で強そうだ?