。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅲ・*・。。*・。
せっかくのおいしそ~な会席料理がまずくなりそうだ。
ドクターは何事かまだ喚いている弟の電話を無視しながら切って、
「お騒がせしました。さぁどうぞ。冷めてしまいますよ?」
と、いつも通りにこにこ。
何か……慣れてそうだな。
「組長の奥さんはドSの女王様みたいだね~。組長も歳だからあれじゃ大変だ」
タイガは他人事のようにくくくっと笑っている。
「歳ってそんなにいってないだろ」
「うさぎちゃんは知らないの~??あの人ああ見えてX歳だよ♪」
「君もX歳だね。いい加減ふらふらしてないで結婚したらどうだい??」
ドクターの冷静な突っ込みが入り、
「ん~そうなるとぉ、ひよこちゃんとひつじちゃんは戸籍的に無理だから~」
ちらりとあたしの方を見てにっこり笑うタイガ。
「うさぎちゃん、僕と結婚しない??退屈させないよ~」
いや、退屈以前の問題だろ。
「残念でした!朔羅は美・少年の龍崎くんの婚約者なんですぅ!」
んべー、と舌を出してリコが威嚇。
「残念ですね。恵一♪フフッ」
「衛の病院から麻酔薬でも盗もうかな~。うさぎちゃんを眠らせて~…」
「その前にあたしが永遠の眠りにつかせてやんよ」
あたしは拳を握って、タイガを睨みあげた。
ああ……
せっかくのうまい飯が、まずいどころかこれじゃ味も分かんね。