。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅲ・*・。。*・。
それよりも何よりも驚くことが…
「あ。これ、この前俺がタクさんの首を捻ったときの場所だ。呪いの人形、効果あり??」
相変わらずの無表情なキョウスケがマイペースに藁人形を手に取っていて、
ズサッ!
あたしは思わず後ずさりをした。
き、キョウスケ!!居たんかよ!!
闇に溶け込んでたのか?まったく気付かなかったぜ。
しかも
「ユズさんに一体譲ってもらおうかな」
キョウスケは藁人形を握ったまま大真面目。
「おい、お前まさか俺を呪うつもりじゃないだろうな」
戒がキョウスケを睨み、
「…………」
キョウスケは無言で目を逸らした。
「やっぱり俺かよ!」
「ってか何でユズの部屋なんだよ。あたしの部屋に来ればいーだろ?」
その方がマサに会話を聞かれる危険性も少ないし。
戒は目をぱちぱちさせながら、
「ほんま?ええの?」
と首を傾けて上目遣い。
ギャァ!
あたしは戒のこうゆう甘えた可愛い表情にとことん弱い。
「…い、いいよ」
あたしが答えると同時に、
「行きましょう」
キョウスケがあたしの腕を引っ張って立ち上がらせた。
手にはしっかりと藁人形が握られている。
「朔羅は俺と手を繋ぐんや!」
「戒さんはマサさんに警戒されてるでしょう!」
また喧嘩……
「ああ、もう!!つべこべ言わずついてきな!!」
あたしはぐいと二人の手首を掴むと、二人を引きずるようにしてユズの部屋を出た。
毎度おなじみのパターンだぜ。