。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅲ・*・。。*・。


そんな黒キョウスケを


「朔羅はお前に渡さん」


と、睨みながら戒がトランプのカードを四枚取り出した。


ハート、ダイヤ、スペード、クローバー


見知ったカードは全部K(キング)のカードだった。






「お姫さま。どの数字をご所望で?♪」






戒がちょっと目を細めて色っぽく笑う。


“お姫さま”って呼ばれたことにドキッ!


フェ、フェミニスト戒め~~


それでも


「え?えっ??じ、じゃぁA(エース)で」


と何とか答えると、指の先で扇形に広げた四枚のカードを反対側の手のひらでサっと撫でた。


まるでマジックのようにKのカード四枚がAに変るのを見て、あたしは目を開いた。


「へ!!!?」


戒の手元を慌てて覗き込み、カードをひったくったけど、確かにA……


「カードのすり替えだ。初歩的なイカサマだよ」


さっきのKのカードを四枚、戒は反対側の手で広げた。


い、イカサマ!?初歩的!?


「俺は姫にあなたが望まれる数字をプレゼントします」


今度はキョウスケがそう言って、開いた指の間に二つのサイコロを挟んでいた。


こっちも……フェミキョウスケめ……


「えっと…じゃぁラッキー7を」


またもおずおずと言うと、キョウスケはサイコロを振った。


コロコロ…


サイコロはテーブルを転がり、


1の目と6の目を出した。


「7だ!ってかこれは!?」


「錘入り。だけど目を出すのはテクが居る」


戒がまたも説明をくれて、


「す、すっげぇな!!これだったらうまく行くんじゃね!?」


とあたしは思わず手を叩いて声を上げた。




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