。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅲ・*・。。*・。



恥ずかしくて思わず俯いていると、


「大丈夫やて~たかがダンベルやろ?響ちゃんなんて真夜中にベランダで懸垂しとるし」


「へ?」


響輔……ってか懸垂って!


「何勝手に俺の秘密暴いてるんですか。戒さんかて押入れにサンドバッグ…と瓦が隠してあるくせに」


サンドバッグ!?


ってか瓦って何使うんだよ…瓦割りか?


おめぇも何やってんだよ。


「「「…………」」」


あたしたちは顔を合わせて黙り込んだ。


まぁ…あれだな。


あたしたちは似たもの同士ってことで。


だけど色気がねぇよな…


「寝に行くか~」


戒が話題を代えるように立ち上がった。


「俺も」とキョウスケもそれにならう。


「じゃ、朔羅おやすみ~♪俺の夢みてね」


チュっと投げキッスをして戒が自分の部屋に向かう。だけどまだ打った後頭部が痛むのか、ぶつけた場所を撫でさすっていた。


戒…ごめん。


その後ろについていく形になったキョウスケがこちらを僅かに振り返り、


「呪いの人形、効果あり?」


と言ってニヤリと笑って人形を取り出す。その人形の頭には……針!?が刺さっていた。


キョウスケ!


「お嬢にさしあげます。戒さんが何かしてこようものならこれで」


ぎゅっと押し付けられて、あたしは


ありがたいけど、やっぱキョウスケは


何を考えてるのか分かんねぇよ。




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