。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅲ・*・。。*・。


叔父貴―――いつも通りだ……


そのことにちょっと安心して、


「今日はどうしたの?」あたしはおずおずと聞いてみた。


「ああ、今日はこないだ言ってたドレス、作りに行くぞ」


「ドレス…って…今日!?てかバイトあるし、あたしも戒も。なぁ」


と戒に同意を求めると、


「ああ。てか前もって言ってくれよな。こっちだって予定あるんだからよ」


とムスっとして腕を組む。


ムスっ…だったらいいけど、戒……


思い切り叔父貴にガン飛ばしてんだけど。機嫌MAX悪。


そういえばこないだ叔父貴にかちこみかけるとか言ってたしな。


戒……怖ぇえよ…


「前もって言っても、お前らは何だかんだではぐらかすだろ?」


叔父貴が戒の険悪な視線をもろともせずにさらりと言った。


「俺は逃げたりしねぇよ」


と戒はまたもム。


あたしは…ま、まぁ当たってるだけに何も言い返せないけど。


……叔父貴と向き合う心の準備とかがまだできてなくて、


だから断ってたかもしれない。


ってか完全にあたしの行動、読まれてるし。


「アルバイトの方は大丈夫ですよ。お二人は急病で休むと言うことをあの店長に伝えたら、あっさり欠勤することを承諾してくれました」


と、鴇田が説明をくれる。


てか、鴇田ぁ!勝手に休むとか言ってんじゃねぇよ!!


てか、おネエ店長、鴇田を気に入ってたからな。


あいつもあっさりOKしやがって。


ギリギリと歯を鳴らしていると、


「会長、お車の準備が整いました」


二人の背後から―――



女の人が一人姿を現した。







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