。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅲ・*・。。*・。
「でも、あいつと結婚するなんてよっぽど奇特だよな。どこがいいんだろ」
こそこそと戒はあたしに耳打ちしてきた。
あたしもそれに同感。
あたしだったら絶対鴇田を選ばない。あいつだけはイヤ。
「俺が女でもあいつだけは選ばんわ~」
と戒もあたしと同じ意見。
「じゃ、お前が女だったら誰を選ぶんだよ。まさか叔父貴か?」
そう言えばあたし、いっときこいつが叔父貴に片思い説を疑ってた。
「まさか。俺が女だったら、間違いなく響ちゃんを選ぶ」
戒が僅かに身を乗り出すと、前に座っているキョウスケのシートに手を乗せた。
何だよ、相変わらずラブラブ(?)だな、お前ら。
「俺が女だったら、戒さんは絶対選ばないです。ちなみに会長も鴇田さんも。
選択肢が三人だったら、俺は一生独り身でいいです」
と、キョウスケはつんと顔を逸らしている。
「響輔!何でぃ。俺のどこがダメなんだよ」
「全部です」
「何だよお前、片思いだな。切ねぇな♪」
フられてやんの。と言ってあたしは笑った。
最初はどうなるかと思ったけど、空気が和んできた。それにほっと気を緩めていると、
「でも、本当にあいつのどこがいいんですか~?」
と、戒がキリさんに聞いた。
キリさんはさほど考えることなく
「海鮮あんかけそばがおいしかったからです♪」
と、ちょっと笑った。