。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅲ・*・。。*・。


キリさんの発言にあたしたち三人は思わず顔を合わせた。


「「海鮮あんかけそば??」」


「何それ。すっげぇうまそう!朔羅今度作って~」


戒は甘えモードでふわふわの頭をあたしの頬にすりすり。


ってかみんな居るのに恥ずかしいっつうの!


顔を赤くしながらあたしは戒を引き剥がすと、


「今度な。ってかあいつ料理なんてできんだな」


意外だ。全然ダメそうだけど。


ちなみに叔父貴はできない。


戒もキョウスケもできないから、男ってそんなもんだと思ってたケド。


ちらりと後方に続くレクサスを、戒と二人で振り返ると、


運転席で真剣な顔つきでハンドルを握っている鴇田と目が合った。


叔父貴は何やら電話中であたしの視線に気付いていない。


鴇田に『何か?』と聞かれているようで、


あたしは慌てて視線を逸らした。


「あいつがエプロンつけて料理とかキモい」


と戒がまたもひそひそ。


「同感だな。ってか想像できねぇ」


戒と、そんなことをひそひそやりとりしていると、


「噂話しは本人の居ないところでしてくださいね」


とキリさんに言われて、


ドキリ!



慌てて前を向くと、


ミラーの中でキリさんの笑顔とばっちり目があっちまって、またも慌てて視線を逸らした。


「す、すみません!」


慌てて謝ると、


くすっと低く笑われた。





「朔羅さんもお料理がお上手なんですってね。あなたの亡くなったお母様もお料理が上手だったとか」






そう言われてあたしは目をぱちぱち。






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