。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅲ・*・。。*・。
キリさんの、その白くて細い女らしいラインを描く腰の中央に、
トライバル模様の―――蛇のタトゥーが彫られていた。
蛇―――……?
俺がじっとそこを凝視していると、キリさんは上体を戻してケータイを手にしながら扉を閉めた。
ワンポイントだし。青龍会に蛇の名がつく組はないし、そもそも代紋って感じには思えなった。
単なるお洒落で?
大人しそうな顔をしてるけど、でも雰囲気エロいし。
振り向くときの髪のなびかせ方とか??エロ…
たぶん単なるお洒落だろうな。
「どうかされました?」
キリさんが怪訝そうに聞いてきて、俺は慌てて視線を逸らした。
「いえ、何でもありません。きれーなお姉さんに見惚れてました♪」
必殺!天使スマイルをかますと、
「あら、お口が上手な坊ちゃんですね」
キリさんは白い歯を見せながら冗談っぽく笑って、ケータイをバッグの中に仕舞い入れている。
こう見ると結構小柄だ。朔羅と同じ身長ぐらいかもしれない。
キリさんの白い胸元が開いたカットソーからお胸の谷間が……
やっぱエロ…
いかん!!つい目がそこに行ってしまって、慌てて俺は目を逸らした。
目測で計ると朔羅と同じぐらいだから、朔羅もこんなん着てくれればいいのに。
いや、そうなったら俺はそんな格好の朔羅を連れ回せない。お部屋に閉じ込めて、俺だけが鑑賞する。
俺だけのものだ。
なんてブツブツ考えていると、
ぐいっ!
急に両側から腕を引かれて、
「何やってんだよ」
「何やってんですか」
朔羅と響輔が俺をキリさんから引き剥がすみたいに、引っ張られた。