。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅲ・*・。。*・。



「おらっ!」


バキィ!


「やりやがったな!」


ゴスッ


鈍い音を響かせながら、俺たちは殴り合った。


スタッフが俺たちの異常なまでの形相に、と言うかTシャツを脱いでたわけだし、俺の背中の紋を見て絶句。


慌てふためいたように顔を青くして後ずさった。


「会長!」キリさんがおろおろと口を覆い龍崎 琢磨に手を伸ばそうとしたが、


「やめろ!お前は下れ!」


鴇田が怒鳴り声を上げてキリさんを後ろに庇う。


一瞬の隙をついて俺が回し蹴りを龍崎 琢磨の腹に一発入れると、龍崎 琢磨は後ろによろけた。


そのまま飛び掛ると、床に倒れこんだ龍崎 琢磨に馬乗りになって襟を掴む。


俺が拳を構えたときだった。


「やめろよ!」


朔羅が俺の腕に縋りついて叫ぶと、今にも泣き出しそうな表情で俺を睨んだ。


「離せ!」


俺が怒鳴ると、


「どけ、朔羅!」


龍崎 琢磨も怒鳴り声を上げて起き上がりながら拳を振り上げる。


「戒さん!やめぇ!!」


後ろから響輔の腕で羽交い絞めにされ、


「会長!おやめください!!」


と鴇田も同じように怒鳴り、俺と龍崎 琢磨の間に割り込んできた。


間を取るように両者の胸に手をついて、


「落ち着いてください!!何をやってるんですか!冷静になってください」


と怒鳴り声を上げて龍崎 琢磨を睨む。


それでも一旦血が昇った頭はそう簡単に冷めないのか、鴇田を睨むと、


「どけ、鴇田!俺の邪魔をすんじゃねぇ!」と怒鳴り声をあげた。


「上等や!かかってこいやぁ!!」


俺も負けじとして言い返したが、響輔の結構な力で押さえつけられてるから腕が言うことをきかへん。




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