。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅲ・*・。。*・。
ぅおお!すっげぇな!!と目を剥いていると、
スタッフの男の人たちもキリさんの色気で一発KO。
「あ、まぁ…そう言うことなら」と言って苦笑を浮かべると、大人しく小切手を受け取った。
キリさんはスタッフの人たちからちょっと離れるようあたしの腕を引くと、
「こんなもんですよ。男なんて可愛い生き物ですからね♪」とまたも妖しく笑い、メガネを掛ける。
ってか何か慣れてそう…
「彼らと一緒だとトラブルが絶えないから」と言ってキリさんは何でもないように笑うと、店の外を目配せした。
“彼ら”って言うのは、確かめるまでもなく叔父貴と鴇田のことだよな。
なるほど、“イロエロ”有能なんだな。
「……何か、すみません。色々気遣わせちゃって」
あたしは酷い状態のフィッティングルームの方を見ると、
「いいえ。大丈夫です。朔羅さんはお気になさらず」
と言ってキリさんはにっこり笑顔。
喧嘩の張本人たちである野郎どもは、後片付けをすることなく外と―――
戒はキョウスケと何やら真剣な様子でひそひそ話し合っている。
キョウスケも……さっきは怒っていそうだったのに、今は真剣な様子で戒の話しに頷いていた。
時折こちらを振り返って、真剣な視線であたしたちを見る。
な、何話してるんだろ…
「てか、何で喧嘩なんてしたんだろ」
そりゃ戒と叔父貴は見るからにソリが合わなさそうだけど、戒は叔父貴にカチコミ掛けるなんて言ってたけど。
本気でやるとは思わなかったし、てか叔父貴は何で戒の試着してるフィッティングから出てきたの?
分からないことだらけでう゛~ん…と首を捻っていると、
「男なんて単純な生き物ですから。男同士の喧嘩をする理由なんてたった一つしかありません」
キリさんがくすっと低く笑って腕を組む。