。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅲ・*・。。*・。
たった一つ―――?
「動物のオス同士が闘う理由なんてメスを奪い合って。ってことに決まってるじゃないですか。
つまりは好きな女のことですよ」
キリさんはちょっとイタズラっぽくウィンクするとあたしの鼻先をつついてきた。
はぁ。好きな女………ねぇ…
って原因あたし!?
あたし何かしたか!?
あ、考えたら、叔父貴とキスしたって戒に暴露しちゃったし、家に嘘ついて戒とお泊りしちゃったし。
ダメだ!思いつきすぎて何が原因か分からん!!
ぐわぁと頭を抱えていると、
「ちょっと失礼」
とキリさんがあたしの後ろに回りこんできた。
「?」
首を捻っていると、
ガシッ
キリさんの両手があたしの―――胸を鷲づかみ!!!?
さわさわさわ…
「うーん…もう少し…足りないかしら」
ぎ…
「ぎぇえええええええ!!!」
あたしの叫び声に店の隅で話しこんでいた戒とキョウスケがびっくりしたように目を丸め、
ちょうど店に戻ってきた叔父貴と鴇田もあたしたちの様子に驚いて身を固まらせた。