。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅲ・*・。。*・。
「キリっ!!何してるんだ、お前は!!」
鴇田があたしの胸を揉んでいたキリさんを引き剥がし、
「相手はお嬢だぞ!何を考えてる!」と怒鳴った。
だけどキリさんは全然堪えてない様子で腕を組むと、鴇田からつんと顔を逸らす。
戒とキョウスケはぼーぜん。叔父貴は奇異なものを見るような目つきで眉をひそめている。
あ、あたし……自慢じゃねぇけど生まれて十六年間、一度も痴漢にあったことねぇんだ。
だけど十六歳にして初の痴漢が、
女!!!?
しかも『足りない』ってちょっとショック…↓↓
がくり、とうな垂れていると、
「「羨ましい……」」
と戒とキョウスケが声を揃えて、二人同時に顔を見合わせた。
おいっ!!
「くっ!この俺だってあんなに堂々としっかり触ったことねぇのに」
と戒がくやしそうに歯軋り。
白昼に堂々としっかり触ったらそれこそ変態の痴漢野郎だぜ。
「お嬢、申し訳ございません!」
鴇田が珍しく余裕のない表情で慌ててあたしに頭を下げる。
「いや……もういいよ」相手、男じゃないし。
「あら、言ったでしょう?私は“これ”の持ち主を、確かめるって」
ピラっ
そう言って取り出したのは、鮮やかな紫色をした……ブラ!!?
ってか何であたしを確かめる!ぜってぇ選ばなさそうだろ!!
これにはさすがの男陣が全員ぎょっと目を剥く。
だけどその中の一人…
「あれ……、一結のだ」
と、一番あの派手派手エロブラとは縁遠そうな男、キョウスケがぽつりと漏らし、
あたしたちはキョウスケを注目した。