。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅲ・*・。。*・。


帰りの車の運転を戒は、何故かキリさんじゃなく、鴇田を指名した。


叔父貴はその提案に何も言わず、結局キリさんの運転で叔父貴が一緒に、


あたしは戒とキョウスケ、それから鴇田と帰ることになった。


行きのプリウスじゃないにしろ、


しーん……


行き以上の沈黙がキマヅイ。


戒は貝のように…


お!うまいこと言ったな★なんて感心してる場合じゃねっつの。


とにかく貝のように口を閉ざし、あたしから顔を逸らすようにずっと外を眺めている。


少し伸びた前髪の隙間から見えた、あのビー玉みたいな琥珀色の瞳はあたしを映し出すことなく、


血が滲んでいる口元は、帰り着くまで結局何かを語られることはなかった。


何だよ、貝(戒)がら野郎…





せめて何で叔父貴に殴りかかったかだけでも教えてほしいのに……





同じようにキョウスケもぼんやりと…ってかこいつのぼーっとしてるのは今にはじまったことじゃない。普段通りだ。


鴇田も普段からあたしにあまり喋りかけてくることがないから、こっちもいつも通り。


でも野郎共のこの沈黙が、




重い。













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