。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅲ・*・。。*・。




――――は!?






謝り方がダイナミック!


男らしいーーー!!


キュンっ


してる場合じゃないって!





「てか何!?お前浮気でもしたの!はっ!もしかしてキリさんの色気にやられて!?」


戒は畳の上に頭をくっつけたまま


「浮気なんてしてません。俺が謝りたいのはさっきの喧嘩のことです」


とバカ丁寧に答える。でもなんか必死……


さっきの……喧嘩―――…?


「いや、あたし怒ってねぇし。何で喧嘩したのかは気になるけど。ってかとにかく頭上げてよ!」


あたしが慌てて戒の元にしゃがみこむと、


「ほんま…?」と戒が眉を下げながら顔を上げる。


さっきは男らしく謝ってきたのに、今は可愛い子ひつじちゃんみてぇだ。


そのギャップに萌え…


てる場合じゃねぇ。


「ああ、最初から怒ってねぇって。ちょっと驚いたが」


あたしの言葉に、戒は


「はぁ、良かった~、許してもらえんで俺、嫌われたらどないしよ思うてたから」


と深いため息を吐き、肩の力をだらりと抜いて、床に手をついた。


あたしはその隣にしゃがみこみ、


「もしかしてさっき口数が少なかったのも、夕食に現れなかったのもそのことをずっと考えてたからか?」


と聞いた。


「…………」


あたしの質問に戒は黙り込み、ほんの少し顔を赤くして顔を逸らした。





そゆうわけね。



不器用で、可愛いヤツ。





< 387 / 776 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop