。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅲ・*・。。*・。
キョウスケはオトコで、
戒もオトコで―――
叔父貴も男で、
やっぱりあたしはこいつらの前では“女”だ。
幾ら喧嘩が強くても、いくら口が悪くても、いくら態度が男っぽくても、
体は女で、造りも全然違う。
「白湯にしてみました。冷たすぎるのは体に良くないので」
キョウスケはコップにぬるい水を入れてくれた。
気が利くヤツ。
生理痛がしんどいなんて知れて恥ずかしかったけど、キョウスケは気にした様子もなく、いつも通り無表情で、だけどあたしを気遣ってくれる。
そういや前も一回こんな感じで……ってかあの時はもっと酷かったか…
居間で倒れていたところをこいつが助けてくれて、薬を飲ましてくれて、しかもその後落ち着くまでずっとついててくれた。
あの時からキョウスケはあたしのことを―――……?
思えばあのときあたしはキョウスケに随分懐いていたと思う。(今も変わらずだけど)
だけどやっぱりあたしは生理で安定していない精神で、キョウスケに酷いことをした。
(※KYOSUKE 参照)
でもこいつは少しも嫌な顔をせずに、しかも今みたいにあたしを心配して気遣ってくれたっけ。
叔父貴に対して拳を向けたのも、
やっぱり生理が影響してるのかなぁ。
薬を水で流し込みながら、あたしはぼんやりとそんなことを考えた。