。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅲ・*・。。*・。
「目的は……朔羅?あの子に興味があるの?」
朔羅には一番興味がなさそうだったのに、玄蛇は今楽しそうだ。
「最初から興味はあったよ。極道界の頂点に立つ黄龍の片割れが
女子高生だったなんてね」
くすっ
玄蛇は小さく笑って、パソコンのモニターを閉じた。
「私の狙撃から逃れたのは彼女が始めてだ。黄龍の名はダテじゃないな。
頭は良くないみたいだけど、瞬発力と運動能力が並外れている。
面白いから一度やりあってみたかったんだよ。私の作戦に彼女はどう対抗してくるか。とね」
あたしは呆れたように目を細めて、前を向いた。
「遊んでないでちゃんと仕留めてよね。
目障りなあの子をこの世から消して」
わざとそっけなく言うと、玄蛇は楽しそうに身を乗り出し、
「君はやっぱりワルい女だな。
好きだよ?そういうの」
と言ってあたしの髪の先をちょっと手で持った。
「大丈夫、私は君に雇われてる身だからね。ご要望通り全員殺してあげるよ。
だが一人ずつ消していくと言う方法は私の身が危険だし面倒だ。
そんな理に適わない方法はとるべきじゃない。
片付けるときはいっきに―――。
狙うは龍崎組主催のパーティー。
あの場で全員揃う」
玄蛇は口の端でにやりと笑い、あたしはこいつが何を考えてるのか益々分からなくなった。