。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅲ・*・。。*・。
「期限はスネークが死ぬなり、捕まるなりするまでだ」
血判書は三枚用意して、それぞれが持ち歩くことにした。
持ち主が裏切ると言うことを防ぐためでもある。
彩芽が立ててくれた、今度は薄茶をいただきながら、
「あんたを襲ったのは単なるパフォーマンスじゃない。脅しだ。
協定を結んだからこそ、朔羅と白虎のガキどもには近づかないでいただきたい」
わざと丁寧に言うと、彩芽はにっこり。
「だ、そうよ?タチバナくん。君、朔羅ちゃんを気に入ってたみたいだから気を付けなさいよ」
「まぁ面白い子ですよね。あのファミレスで会った後、偶然街で再会しましてね。
そのあと彼女は俺のあとを尾けてきた。すぐに巻いたが、妙に勘が鋭い。
でも俺は女として見てるわけじゃないんでご安心を」
とタチバナは彩芽に微笑みかけている。
そう言えば結婚して、妻とラブラブだとか言ってやがったな。
哀れ、こいつと結婚したらその女は一生振り回されて魂まで抜かれるに違いない。
ようやく落ち着くのが棺おけの中てのは可哀想なことだな。
同情するぜ。
「どうせ、お前。女を眠らせてその隙に婚姻届けを勝手に出したクチだろう」
「失礼な。ちゃんと同意の上だ。勝手に妻が元住んでたアパートを解約して引越しさせたときは、さすがに怒ってたがな」
「やっぱり勝手にしてんじゃねぇかよ」
昔と全然変ってない俺様っぷりだな。
タチバナはさも心外と言う感じで顔を歪めた。でもすぐに頬を緩めると、
「ちょっとドジで鈍感なところがあるけど、そこがまた可愛いって言うか♪」
あっそ。ラブラブなこって。
俺は片想いで切ねぇって言うのに。一人で幸せになりやがって。
「彩芽はどうするんだ?この件が終わったら衛と結婚するのか?」
結婚話で思い出した。
思いついたことを聞くと、
「ひ・み・つ」
と悪戯っぽく笑ってウィンクしてくる。
食えねぇ女だぜ。まったく。