。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅲ・*・。。*・。



お外デート……


「水族館、遊園地、動物園…ディズニーランドってのいいよな♪


夏休みも後半に入るし、シフトの調整で休みが多くなるし。色々計画練ってたんだ」


戒は指を折りながら次々とお出かけスポットを挙げていく。


「へー…」


知らなかった!


「昨日、言い出そうとしたんだ。洗面所でお前と一緒になったとき。だけどそのあと龍崎 琢磨と鴇田のセットが現れて…」


そこまで言うと戒は忌々しそうに顔を歪めた。


あ!あのとき、戒は何か言いたそうにしてた!


「なんだよ、早く言えよ」


「いや…言いたかったケド…なんか子供っぽいかな~って。お前は俺が慣れてそうとか思ってるところあるし」


「いや、実際慣れてんだろ」


白い目で戒を見ると、


「ま、まぁまぁ!そのことは置いといて~」


額に冷や汗流してんのは、腹痛のせいじゃないだろう。






「本気じゃない恋愛はもう卒業した。俺は本気恋愛ビギナーだ。


だから二人で歴史を作ろう」





いつになく真剣な戒―――


……かっこ良……―――くない!!


「本気じゃない恋愛卒業て!お前いくつだよ!!その歳で悟ってんじゃねぇよ!」


ぎゅうと戒の首を絞めると、


「す、すみませぇん!」


戒は苦しそうに喚いていたけど―――



でもホントは



二人で歴史を作っていこう



って言葉にドキっとしたよ。





だけど




「俺のヒストリーは明日を迎えることなく、今日で終了だ。あばよ、俺の短い人生」


首を絞められた戒は諦めモードでがくりと項垂れている。


「人に自慢できるヒストリーじゃねぇだろ!」


あたしはぎゅっと戒の首に回した手に力を入れた。




「ギブ。ギブ!!」



戒の喚き声が響いて、ああ…こうやってあたしたちの仲はみんなに誤解されていくんだなぁ。


と実感。





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