。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅲ・*・。。*・。
学校じゃないのにまた宿題かよ。
う゛~ん…と唸っていると、
「何?店長に頼まれごと?」
すぐにバイトの先輩(♂、ってかあたし以外全員男)が声を掛けてきた。
「ああ、はい。夏フェアやるから女子ウケする企画を考えろって言われちゃって」
あたしが説明すると、
「じゃ、俺も一緒に考えるよ♪バイトあがったら二人でお茶でもしながら考えない?♪」
とにこにこ。
い、いや、それは…と若干引き腰でいると。
にこにこ先輩の背後で、
ずぅぅうううううんん
まるで背後霊のようにのっそりと、しかし迫力ある怒りのオーラを出しながら戒が姿を現した。
「その企画は俺が考えます」
戒は先輩の肩にぽんと手を置き、先輩を睨みながら口をひん曲げている。
ぅわ
腹痛で、いつもよりさらに機嫌悪さが増してんなー
しかも叔父貴にやられた傷がさらにハクを増して、いつもにも増して凶悪だ。
「りゅ、龍崎……来てたの!じゃ、じゃぁあとはお願いしまス」
先輩は戒の迫力に顔を青くさせて、慌てて厨房の方へ逃げていった。
「キャァアァア!龍崎くんっ!!どうしたの、その顔っ!!」
用件を済ませたおネエ店長がホールから戻ってきて、こっちは違った意味で顔を青くさせている。
「可愛い顔が台無しじゃない!」
「ちょっと階段から落下しちゃいまして」
と家と同じいい訳してるし。
「その顔でお客さまの前に出ちゃダメよ!あんたは今日厨房担当!」
ビシッとおネエ店長は厨房を指差して、戒はしぶしぶと言った感じで厨房に向かった。
後先考えず喧嘩するからだ。まったく。