。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅲ・*・。。*・。
タイガは今までへらへらしてた、しまりのない笑顔から一転、目を細めて怪しく口元に笑みを浮かべている。
さっきあたしはかなりの力を入れてこいつを締め上げたってのに、もうダメージから立ち直ってるし。
そして、上着の中に手を入れる仕草は、見覚えのある行動だった。
叔父貴が時々そうやってハジキを取り出していたからだ。
あたしの額から嫌な汗が流れた。
ハジキ―――…!?
そう思ったが、
「ジャーン!♪フルーツかき氷フェア★一緒に行こうよ~♪」
タイガが取り出したのは、どこかの店のかき氷のちらしだった。
「何だよ!かき氷かよ!!思わせぶりな態度取りやがって!!」
あたしが怒鳴ると、
「思わせぶり?」とタイガが首を捻っている。
「あ、もしかして婚約指輪だと思ったぁ?♪ごめんね、まだ用意してないんだ……目的を変えて今からでも見に行く?♪」
タイガはしまりのない笑顔でへらへら聞いて来る。
「だ・れ・が!!お前から指輪貰いたいって言ったぁ!!
あたしの“ここ”は売約済みだ!!」
バッ!
あたしは左手をタイガに見せると、タイガはカっと目を開いて真剣な目であたしの左手を手にとると、
「む!ステキな指輪だね、うさぎちゃん。ヒツジちゃんからもらったの!?」と真剣。
「当たりめぇだろ!
あたしは戒のお嫁さんだ!!
おめぇの嫁にはならねぇ!!」