。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅲ・*・。。*・。
ちょっと??
―――…どころじゃねぇじゃん!!
「てかハジキって!何でイチがそんなもん持ってるんだよ」
「さぁ。一結が自分で手に入れたとは思えないので、誰かから借りたと思いますが」
「誰かって協力者の男―――スネークに……か?」
俺が眉をひそめると、響輔は前を向いたまま、
「分かりません」とそっけなく答えた。
「ハジキの様式は?」
「知りません。詳しくないので。
黒くて長細かった」
「ハジキはみんな黒くて長細いもんだ!」
と、またもバコッと響輔の頭をはたく。
お前は相変わらずどっか抜けてんな!
「戒さん、すぐ手を挙げるのやめてやー。せっかくシリアルナンバー(登録番号のこと)覚えてきたのに、忘れそうや」
と打たれた場所を撫でさすっている。
「シリアルナンバー?それを早よ言えや!!」
ついでにマイペース。
俺が勢い込むと、
「ASSY9346442…」と響輔はシリアルナンバーを口ずさむような気軽さで、声に出した。
長ったらしい数字をつまりもせずにスラスラ言えてるじゃねぇかよ。
「よし!任せろ。得意分野だ♪」
「お任せしました。それじゃ」
と力尽きたように今度こそ床に顔を伏せる響輔。
「まだ聞きたいことあんねん。寝かせへんで、響ちゃん」
響輔の背中に顔を置くと、響輔は面倒くさそうに体をよじった。