。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅲ・*・。。*・。
「おいっ!女だ!女を押さえろ!」
背後から声が聞こえてきて、あたしは振り返った。
人質にとろうってのか。どこまで性根の腐った野郎共だ!!
「かかってきやがれ!」
あたしはそう怒鳴り声を上げると、壁に走り寄った。
すぐさま一人が飛び掛るように襲い掛かってきて、寸でのところでそれを避けると男はみっともなく壁に顔面からダイブ。
「何しやがんだ!この女っ!」
一人が声を上げて鉄パイプを振り上げてくる。
あたしゃ何もしてねぇよ。こいつが勝手に顔面ダイブしてきたんじゃねぇか。
あたしは壁でやられた男の襟首を掴んで楯にすると、
次に向かってきた男に思い切りぶつけてやった。
仲間の鉄パイプを受けて一人が地面に崩れ、一人はまた仲間の体当たりで後ろに引っくり返る。
すぐさま次の男が飛び掛ってきて、あたしは身を沈めて鉄パイプ攻撃を避けると地面に両手をつき、倒立の要領で脚を振り上げ、顔面に蹴りをお見舞いしてやった。
そのまま前転の勢いでもう一人を片付ける。
ちょっとだけタイガの方を振り返ると、すでに大半は地面に沈んでいて、タイガは最後の一人の首を後ろ側から絞め、
「やるね~♪うさぎちゃん♪」と余裕をかましている。
絞められた男は白目を剥きながら、やがては地面に崩れ落ちた。
「な…何なんだ…こいつら」
あたしの目の前で数人残った男たちが顔を青くして後ずさるも、
「がっ!」
突如短い声を上げて、地面に崩れ落ちた。
何―――……?
顔を上げると、
「お嬢。大丈夫ですか!?」
あて身の姿勢のままのキョウスケが―――立っていて、あたしは目を開いた。
キョウスケ―――!?……なんで…?