。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅲ・*・。。*・。
あたしの疑問をよそに、新たなるキョウスケと言う男の出現に今度こそ残った男たちは顔を青くさせて逃げていこうとする。
それをキョウスケが阻んだ。
一人の男を捕まえると後ろを向かせ、その男を壁に叩き付けて、
「逃がさへんで。おらっ、何でこの人らを襲ったんや。女が目的やったんか?」
と怒鳴り声を上げた。
「……か、金で…頼まれて…」
金で―――……?何で?
あたしが目をまばたいていると、キョウスケはさらに男の腕を捻り上げ、
「雇われたんか?お前らを雇ったんは誰や。吐けや。早よ言わんと腕の骨折るで」
ドスを含ませた声が真剣さを物語っていたのか、男が震え上がり慌てて首を横に振った。
「し……知らない!」
「知らんことないやろ!」
キョウスケが声を上げて腕をさらに捻り上げると、
「だ、だから知らない男だったってことだ!金やるから、そこの女を襲えって!!」
恐る恐るあたしの方に顔を向ける男。
じゃぁこいつらはあたしを犯すのが目的じゃなくて……
タイガもその事実に驚いたのか、さっきの恐ろしいほどの殺気はどこへやら、あたしの方を見て目をぱちぱち。
「男の特徴は?」
さらにキョウスケが問うと、
「若い男だった……気がする。く、暗くて…はっきりと顔見てない」
男は震える声で何とか返した。
「どんな男や。服装は?背格好は?」
キョウスケが早口に聞くと、
「さ、サラリーマン風の……スーツだった気がする。それ以外は知らない!」
男は叫ぶように答えて、キョウスケはようやく男の腕から手を離した。
だけどキョウスケは、ほっとしたように逃げていこうとする男の足を引っ掛けて、
さらに男の腹に一発拳を埋めると、その強烈なパンチで男は大人しくなった。