。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅲ・*・。。*・。
「誰??うさぎちゃんの知り合い?」
タイガがのんびり聞いてきて、あたしは
「ちょっとな」と曖昧に返した。
「あ、そだ~うさぎちゃん、これ落し物だよ?さっきの喧嘩で取れちゃったんだね」
タイガは思い出したように慌てて言って、あたしの手に白ヘビさまのストラップを置いた。
「白ヘビさまは守り神なんだから~大事にしないと」
と、ちょっと咎められてるあたし。
「……ありがとよ」
「お嬢、早く行きましょう」
今度こそ、と言った感じでキョウスケがあたしの腕を引き、
「うさぎちゃん、ひよこちゃん、またね~♪♪」
と、タイガが手を振っている。
駅裏の道を歩き出して、ちょっとタイガの様子が気になり振り返ってみると、
タイガは例のトンネルに背をもたれさせ、腕を組んでいた。
あたしが振り返るってのが分かっていたのか、タイガはまたも薄い笑みを浮かべて、口をゆっくりと開く。
いつものへらへら締りのない笑顔じゃない。含みのある薄い笑顔。
ガタンゴトン…
電車の音に混じって声がかき消された―――
だけどタイガが何を言ったのか―――何故かあたしには分かった。
「白へびは
いつでも君を守ってくれる存在だ
大事にしたまえ」