。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅲ・*・。。*・。



あたしは帰る道で、戒とキョウスケにタイガとカキ氷を食いにいったいきさつや、男たちに襲われそうになったことを簡単に話し聞かせた。


「あいつに何かされてないか?」


と戒は心配そうに言ってあたしの手を握ってくる。


キョウスケが居る手前、恥ずかしかったけど、なんだかいつもみたいな余裕のない戒の態度に恥ずかしがる気持ちもなくなっていった。


本当に―――心配してくれてたみたいだから。


キョウスケも……口や態度には出さないけど、やっぱり心配してくれていたに違いない。


並んで歩く距離がいつもより近い―――


「あ、うん。カキ氷食って、帰っただけだから。


ごめん、二人とも。心配掛けて」


「ええよ。お前が無事なら。それで―――」


戒がちょっとぎこちなく笑ってあたしの髪をぐしゃぐしゃとまさぐってくる。


その手が僅かに震えていたことに気付いて、あたしはぎゅっと戒の手を強く握った。




ホントにごめん。心配かけて―――





「あ!そう言えば!!」


あたしは急にタイガの腕に彫られていたタトゥーの存在を思い出して、二人を交互に見た。


「あいつ!タイガの野郎っ!!腕にトライバル模様のタトゥーが彫ってあった」


「タトゥー?」


キョウスケが興味深そうに目を細める。


「この辺りだよ」


あたしはキョウスケの二の腕から肘の関節へと続く筋肉を指差して、







「あのタトゥー。どこかで見覚えがあると思ったら、



戒がきゅーせー胃炎で入院したとき、襲ってきた男と同じデザインだった―――」







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