。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅲ・*・。。*・。
“白へび”って―――誰!?
『ゲンジャ』って―――……
あたしが聞こうとすると、ふわりと強い風が吹いて、
バサッ
布の音が響いた。
まばたきをした一瞬だった。
白い雪景色の―――たった今雪斗が立っていた場所には
誰も居なかった―――
木枯らしのような強い風が吹き抜けて、冷気がまたもあたしの体を突き刺す。
―――「雪斗っ!!」
ガバッ!
あたしが飛び起きると、夢での冷気と同じぐらいの寒さを感じてあたしは身震いをした。
「寒……」
思わず呟いて、でも体は冷え切っているのに、
手のひらから温かい体温を感じて、あたしはその温もりが何なのか確かめるように手に視線を落とした。
あたしの部屋のベッドの端に―――
あたしの手を握りながら、
―――戒が顔を伏せて眠っていた。