。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅲ・*・。。*・。
へ!?
―――なんで戒が!?
戒はTシャツにパジャマのズボン姿だった。
床に座り込んであたしの手を握りながらベッドの縁に顔を伏せて眠っている。
ってか何で戒がここに居るの!?
ここ、あたしの部屋だよな。
部屋に鍵掛けておいた筈なのに。
まだ夢の続きか??
そう思って軽くほっぺたをつねってみると、「痛てっ」あたしはそのリアルな痛みに思わず顔をしかめた。
どうやら夢じゃないらしい。
どうやって入り込んだのかは謎だが……
いや、こいつには鍵とかそんな常識通じねぇだろうな。
とにかく何かの方法で入り込んだのは間違いない。
夜這いか…??こんな堂々と。
と思ったけれど、そんな雰囲気じゃない。
「おい、風邪ひくぞ」
あたしが戒の体をゆさゆさと揺さぶると、戒は案の定小さくくしゃみをしてその声で起きだした。
「……あれ?朔羅…?」
鼻を啜りながら、若干鼻声で戒がむくりと起き出す。
「お前大丈夫か?寝ぼけて部屋間違えたんか?」
思わず戒を覗き込むと、戒は僅かに頭を振って、
「わり…ちょっと様子見にきただけなんだ……なんつぅかちょっと心配になって。
お前の寝顔見てたら安心しちまったのか、
なんかいつの間にか寝てたみたい」
と、恥ずかしそうに顔を逸らした。