。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅲ・*・。。*・。



戒は微苦笑を浮かべてあたしの頭にそっと手を伸ばすと、頭を軽く叩いてあたしを引き寄せてきた。


あたしの頭にチュっとキスをすると、


「夢で言ってた雪斗の……確かめる方法ってのは何となく分かる」


へ!?


あたしが顔を上げて目をまばたいて、それでもすぐに顎を引いた。


「戸籍謄本を調べるっての??あたしが戒の正体を疑ってたときみたいに…」


「あー、あれな~。あんときは参ったぜ。あの手この手で調べようとしてるんだもんな♪妨害するこっちも大変だった」


妨害……って…


「やっぱあんときは!!」


夜這いからはじまり、階段から突き落とそうとしたり、聞き込みなんてのもした(千里とキョウスケまで巻き込みやがって!※Cherry Blossom 参照)


戸籍謄本を調べるのは最終手段だったけれど、それもあっさり挫折した…↓↓


「ま、まぁまぁ~…それに戸籍謄本を調べたって兄弟が同じDNAを持っているかなんてまでは分からないぜ?


あくまでありゃ家族関係を証明するものに過ぎないからな」


と戒が引きつった笑顔であたしを宥める。


「だったら他にどんな方法が……」


とあたしが問いかけると、





「可能かどうか確実性はないが、





雪斗の遺骨なり遺体なりが見つかれば、そこからDNAを抽出することができるかもしれない」





戒は真剣なまなざしであたしを見つめてきて、



遺体―――……



と言う言葉にあたしは目を開いた。







< 534 / 776 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop