。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅲ・*・。。*・。
―――あとはもう一つ。
「“白へびを追え”って何の暗号だろうな……」
たかが夢のお告げに真剣に考える必要なんてねぇのに、戒はむ゛~と首を捻って考え込んでいる。
「白へびってこのこと?千里におみやげで貰ったんだ。
蛇なんて縁起わりぃって言ったケド、千里ママの実家の方では白へびさまは守り神だって。
あと―――
変態タイガもその白へびさまのこと、知ってたよ」
「タイガが?」
タイガの名前を出したとたん、顔つきを険しくさせた戒。
「う…うん。あいつの故郷もどうやら千里ママの実家がある地方らしい」
「あいつの故郷ってどこ?」
戒が睨むように眉間に皺を寄せ、声を低めて聞いてくる。
「さぁはっきりとは…北の方だって。寒い雪国だって……」
言って、はっとなった。
タイガも妹が居るって――――言ってた……
もしかしてあれは雪斗じゃなくて、本来はタイガだったんじゃないか。
「北の方か…アバウトだけど、まぁ頷けるところはあるよな。色白だし」
「色白と北がどう関係あるんだよ」
「肌の色は南の方に下ると黒くなるけど、北の方に行くと白いだろ?ほら、秋田美人とか言うジャン♪」
「ま、まぁそうかも」
だけど戒が言うと何故か違う意味に聞こえる。何故か“美人”ってとこに引っかかりを覚えるあたし。
「キョウスケだって色白だぜ?あいつは関西だろ?生まれは京都だっけ。京美人だ♪何か品があるしな」
軽く笑うと、戒はムっと顔をしかめた。
「美人とか言うな」
ふふん♪と勝ち誇った笑みを漏らすもあたしはすぐに顔を戻した。
「でも肌の色はこの際関係ないんじゃね?だって雪斗だって色白だけど生まれは東京だぜ?」
「まぁそうだよな~…」
戒はまたも考えるように首を捻り、
「白へび―――か……そいつが玄蛇…スネークにどう影響するか
俺たちの味方か、或いは敵か―――」