。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅲ・*・。。*・。
「もしかしたら、そうかもしれません。元々の歌の意味が関東と関西の統合を意味する歌ではなく、
玄武の滅亡と、青龍の繁栄を意味していてもおかしくありませんね。
元々龍の胴体は蛇を象ったものとされてますし」
キョウスケも手を止めてあたしを注目してくる。
「蛇が龍に喰われた―――」
戒が低く囁き、あたしは思わず笑った。
「てか龍なんてもうずっと前から存在してる生き物だろ?想像上だけど。中国なんて何千年歴史があるって言うんだよ。
中国の歴史に比べりゃ極道の歴史なんてまだ浅いって。そこまで深い意味はねぇだろ。
ってか気持ち悪いな~龍の一部が蛇かよ」
ザクザクっとたまねぎを切りながら、あたしは顔をしかめた。
「「………」」
あたしの質問に二人は黙り込み、また何かを考え込んでいるのか、不思議に思って後ろを振り返ると、
二人とも手を止めて目を開いてじっとあたしを凝視していた。
「どうしたんだよ?」
怪訝そうに睨むと、
「いや…おめぇすっげぇな」
と戒が大きな目をぱちぱちさせて口元に手をやっている。
「は?」
「俺も尊敬します」とキョウスケ。
益々意味分かんねんだけど。あたしが珍しく歴史の話なんてしちゃったからか?
だけど二人は違ったところで驚いているようで、
「何でお前、野菜切りながら普通に会話できんだよ」
食いつくとこそこかよ!
「俺には無理や」
「俺もです」
何か……ちょっと勝った??
でも…嬉しくない。