。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅲ・*・。。*・。


―――



担任の話を聞いたり、課題の確認をしたりで午前中はあっという間に過ぎた。


午後はお勉強の講習会があって、面倒だけど宿題も少しは片付けられるし、その後は……


「はぁあ~…実行委員って面倒だし」


弁当を食ってるときに派手にため息を吐いて、


「でも金一封だぜ?がんばろ~な♪¥¥」と隣の席でご機嫌な戒があたしの作ったお揃いの弁当を食いながらにこにこ。


この頃あたしたちはすっかり仲良く(?)若干一名仲良くなりきれてないが…


あたしと戒、リコと千里と言う四人グループができあがっていた。


教室の隅で机をくっつけ弁当タイムだってのに、


あたしたちの周りには女子がわらわら。




「龍崎くん、久しぶり♪少し日焼けした~??」

「龍崎くぅん、宿題分からないとこあるの。教えて♪」

「龍崎くん☆夏休みどこへ行った??」




相変わらずのモテっぷりだ。


あたしと言う彼女が居るってみんな知ってるはずなのに、みんな隙あらばっ!!って感じだな。


戒もにこにこ答えてるから、女の子たちも機嫌がいい。


何だよ、デレデレしちゃって。


と面白くないのはあたし。


「落ち着かない」と千里もつまらなさそうに口を尖らせている。


「ねぇねぇ龍崎さんはどこへ行った~??」と言うクラスメイトの男子……ってかこいつ誰だっけ??


あ、そだメガネ二号だ!(和田くんです※Cherry Blossom参照)


メガネ二号の質問にもてきと~に答えながら、


背後に女子の群れを作っている戒にムカついたから、こいつの弁当に入ってる鶏の唐揚げ(戒の好物の一つ)にグサッとフォークを突き刺して、奪ってやろうとした。


だけど


口に入れる瞬間、





「それ、僕のだよ」





教室だって言うのに、みんな居る前だってのに、



あたしのフォークをあたしの手の上からそっと握ると、あたしの顔に顔を寄せてすぐ近くでパクリ。




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